ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

わかりあえない存在とのコミュニケーション手段は恐怖か食欲か『NOPE』

動物映画なのだと思った。

チンパンジー、馬、?????など、違う存在とコミュニケーションをとれるのか、とれるとしたらそれは恐怖(鞭、躾)か食欲(餌付け)か、それとももっと違うものによるのか。

 

主人公は牧場を経営する黒人一家で、映画撮影のスタント馬を飼っている。昔のテレビ番組で出演していたチンパンジーによる事件、主人公の牧場周辺での異様な出来事が描かれていく。

 

見る・見られる関係も面白い。見る行為は攻撃性をはらむ。

その事を知るのはマイノリティ側だろう。

主人公は馬を深く理解し、それが事態の解決につながる。

 

また、飼われ利用される別の生き物は、奴隷や搾取される側の人のことでもあるだろう。

度重なる抑圧や無理解、攻撃に、耐えきれず反撃したら、即射殺。これまでの経緯(歴史)や状況と切り離されて、暴力はよくないね、といわれる。マジョリティの暴力は、制度に組み込まれているから、気づきにくいにすぎない。

 

他の生き物とのわかりあえなさを知る、そこから(方向性はちがえど)一歩踏み出すというところに『獣の奏者』を連想した。

 

AKIRA 』とか『新世紀エヴァンゲリオン』っぽいイメージも出てきて、同じようなものを観てきた人が作っているんだなぁ、という感。

 

 

 

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