ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

創造したものを殺しなさい NTL2014『フランケンシュタイン【クリーチャーver.】

ベネディクト・カンバーバッチが、フランケンシュタイン博士が創り出した怪物を演じる、ダニー・ボイル演出の舞台。フランケンシュタイン博士(ジョニー・リー・ミラー)と怪物が逆になるバージョンも同時に上演された。

舞台を映像にしたものだが、映画監督が演出だけあって、いろいろな角度からのショットがあり、映画的に仕上がっている。

 

満天の電気の星の下、フランケンシュタイン博士と怪物は相似の存在となる。

愛を知らず、女なしに生命を作り出そうとしたフランケンシュタイン博士。愛を理解し求め、孤独を厭う怪物。二面性。

 

科学が男たちの新しい神となり、創造?がなされるなか、女たちは意思を無視され続ける。

怪物の花嫁が意識を持ったとき、相手を愛するかどうかを懸念して男二人が右往左往するのが、滑稽だ。心配するだけして、意識を与えて彼女の意思をたしかめたりはしない。フランケンシュタイン博士の婚約者は、博士に属するもの、所有物として、破壊される。とばっちりだ。

 

かくして二人は、出来損ないの息子同士、互いを生きるよすがとして、極点を目指す。

自分を創造したものを殺すために。

自分が創造したものを殺すために。

 

自家中毒的なお話だと思った。最初から二人でやればよいのにね。