いくつもの顔をもち、時に味方を犠牲にしながら抵抗活動を行うルーセンが、『鬼滅の刃』の煉獄さんみたいなことをいう。
自分ではたどりつけない未来のために、心を、自分自身を燃やすのだと。
自分が苦しみの闇の中で燃え尽きても、それを越えて進む次の人たちが夜明けにたどりつけると信じて。
そして、主人公キャシアンが囚われた監獄の囚人リーダー、キノ・ロイの呼び掛け。
泣いた。
全労働者必見である。
彼を後押ししたのは、キャシアンの生き延びたい、理不尽なルールや力に従うくらいなら、闘って死にたい、という叫びだ。
だれかが背中を押してくれること、支えあうことで、人は立ち上がることができる。
いきなり10話からの感想だが、ここまでもすごく面白いし、ここからも面白いだろう。
❰追記❱
最終話まで見た。最高だ。徹頭徹尾、眠れる民衆、労働者のための物語だ。キャシアン・アンドーは触媒として、起爆していく。マーヴァの演説素晴らしかった。
自分の弔辞を自分でできるのはいいですね。
スター・ウォーズシリーズでは『ローグ・ワン』がいちばん好きだ。
それは、血筋のよい、フォースを操る、みんなが期待する英雄の物語ではなく、とるに足らない、ちっぽけで無力だと思い込んで、思い込まされている人たちが、小さな力を持ち寄り、支配に抵抗する物語だからだ。
キャシアン・アンドーはその『ローグ・ワン』と同じテーマを描く。
銀河の夜明けを迎えるのは、スカイウォーカーではない。
これまで強大な力の前に抑圧されてきたすべての人、そしてその人々のために、立ち上がって闘ってきた、すべての小さき人々だと、わたしは思う。