ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

6時間は短い「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ」

配信で見る。

6時間あるので、配信のほうが自分のペースで見られて良い可能性もある。

ゲームは未プレイ、ストーリーも知らずに観たが面白かった!

ファイナルファンタジーⅩ、こんな話だったのか。

 

未プレイだが、なんとなく想像するに、重要シーンに絞ってストーリーを構成、各キャラクターの見せ場も配置し、6時間におさめているのは、すごいのではないか。

ゲームだともっと時間がかかるし、主人公とプレイヤーが一体化するので、世界の謎が明かされた衝撃も強いと思う。しかし、舞台で見る人は、自分が主人公になるというより、祈り子目線というか、世界を救うものたちの道行きを見守る感じがあり、それはそれでよかった。

 

演者はどの方も歌舞伎らしさとキャラクター性のバランスをとって、見事に演じていたが、とくに素晴らしかったのは、召喚士ユウナを演じた中村米吉さん。どこから見ても、配信でカメラが寄っても、あれは可憐な少女だった。

 

配信の映像は、うまく撮影され、編集されているので、見やすい。

ただ、劇場ステージアラウンドは、中央にある円形の客席が回転し、外周の舞台を見る、というおもしろい構造なのだが、その感じはなかなか出にくい。場面転換や主人公たちが旅して次のエリアに行くときなど、見せ方がいろいろあって劇場だともっと面白かったかもな、と思う。

 

ステージアラウンドはこれが最終公演で、閉館、取り壊しになる。劇場に座ることのアトラクション性をおしすすめ、舞台表現が広がった劇場だと思うので、またどこかで造られたらいいな、と思う。

 

 

追記

自己犠牲を乗り越えられるか、自分達の甘い夢、甘い見通しを維持するために、今生きる人々を犠牲にしていいか、がテーマだと思った。とすると、結末は描き足りない気もした。

かつて自分達が大きな犠牲を払ったことで、次の世代や他人にも犠牲を強いていい、それしかないと思っている人々、その連鎖を破るために、何をするか。

それは夢から覚めた祈り子たる観客がやるということなのかな?

 

 

 

 

 

 

ff10-kabuki.com