いろいろな要素がものすごい量ごちゃごちゃ入っているが、なんだか渾然一体となってまとまっている。家族第一主義的なところはどうかと、ちょっと思うが、面白い映画だった。
以下ネタバレ。
1人の中年女性が、選ばなかった道、あり得た人生の数だけ分岐したマルチユニバースの自分の力を使って、世界を破綻させようとしているらしい悪者と戦う、
しかし、敵の正体は他のユニバースの娘の成れの果てで、ナビゲーターは別のユニバースの夫、娘を絶対に倒させようと強いて来るのは、別のユニバースの父親である。
なので、ごく近距離の人間関係が、世界の危機に直結するセカイ系の物語の一種に思えた。描かれる世界の狭さは少し気になる。
それでも、アメリカの映画でアジア系の中年女性が世界を救うという新しさと、マルチユニバースのとっぴなアクションとビジュアル、そして家族の再生という普遍的なテーマを組み合わせて、クイアな魅力もある。
キャストはみんな素敵。娘役のステファニー・スーの衣装もすごくよかった。
ソーセージユニバースは夢に見そう。
追記
オスカーおめでとう!
受賞者のスピーチがみんなよかった!