ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

お母さんハーレム映画『君たちはどう生きるか』

いろいろなタイプのお母さん、お母さん的女性が出てくる宮崎駿のハーレムもの。 半ば引退しているだけあって、趣味的な映画だと思った。 主人公は不思議な塔に招かれ冒険するが、主要な女性登場人物は母及び母的である。 火事で死んでしまったお母さん、父の…

鄙と楽園「憧憬の地 ブルターニュ展」@国立西洋美術館

海岸、牛、リンゴの木、農風景、民族衣装の頭巾を身につけた女。 フランスの異郷ブルターニュを描くときに、よく取り上げられるモチーフだ。 中央・パリから辺境、鄙であるブルターニュへの視線が、画面にはっきりと固定されている。 描かれた人物は女性が多…

典雅で残虐な愛「ルーブル美術館展 愛を描く」@国立新美術館

ルーブル美術館所蔵の西洋絵画、特に愛をテーマにした作品を展示していた。 愛というと、かわいらしいキューピッドや睦まじい恋人たちのイメージがあるかもしれないが、暗喩に満ちた訳ありげな、ドラマチックな絵画もあり、見ごたえがあった。 そして、男性…

「子どもと不条理:それでも世界は生きるに値する 第Ⅰ期『子どもと戦争』」@聖心女子大学

聖心女子大学内で行われている展示。 美術作家の遠藤薫が戦時中に落下傘を作っていた女子工員にインタビューした映像と落下傘、作家・マンガ家の小林エリカによる実父の日記とアンネの日記をモチーフにした作品や、ノンフィクション作家の野村路子が調査した…

お祓いの正統性の由来「祓-儀礼と思想-」@國學院大学博物館

わりと専門的な展示。 茅の輪くぐりや夏の大祓いなど、たまに見聞きするお祓いとは、どんな由来があり、どのように伝播し、変遷していったのかを、各種文書を通じて浮かび上がらせる。 もともとは宮中行事で、それが伊勢神宮の御使などによって地方の神社へ…

「異界彷徨 怪異・祈り・生と死」@大阪歴史博物館

面白かった。 まじないや、祈祷、験担ぎにまつわるさまざまなものとその由来が展示されている。 蟹の甲羅で作られたお面や、関東大震災の避難民向けの告知に描かれたナマズなど、イメージの作られ方、使い方が面白い。 昭和初期の寿司の商工会が作った恵方巻…

佐伯祐三 ー 自画像としての風景@大阪中之島美術館

とても混んでいたが、わたしには残念ながらよさがわからず。 風景や建物にあまり興味がないのかも知れない。 あと、中之島美術館は常設展はないのでしょうか。。。 nakka-art.jp

話してるだけなのにスリリング『ウーマン・トーキング』

実話をもとにした物語。 ある朝目覚めると、身に覚えのない痣や傷、性器からの出血がある。年齢を問わず集落のほとんどの女性に同じことが起きるが、男たちは「思い過ごし」「悪魔の仕業」などと取り合わない。しかし実はそれは家畜用の強い麻酔を使った連続…

みっちりと虚無僧『発掘・植竹邦良 ニッポンの戦後を映す夢想空間』

駆け込みで観に行く。 リアリズムではなく、スーパーリアリズムを模索した画家、植竹邦良の展覧会。 幻想的にもみえる、執拗に繰り返され画面を覆い尽くすモチーフは、安保闘争のさなか寝転んだ東京駅のドーム天井や、通勤電車、戦時中の東アジア地図など、…

最後のパートはいらなかったのでは『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

テレビドラマで好評の岸辺露伴シリーズの映画版。 若かりし日の露伴が、ある女性から教えられた❰世界で最も黒い絵❱。 その因縁に導かれ、ルーブル美術館へ行くと、奇怪な事件が起こる。 それは絵の呪いなのか。 ルーブル美術館の映像も美しいし、ただ者では…

こうでなくちゃ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(字幕版)

「アベンジャーズ」と合流していたときの悲しさ、二者択一的な考えは、すっかり忘れて、ガーディアンズらしさを取り戻した本作品。 とても楽しかった。 事実上の主人公はロケット。アライグマの姿をした彼の壮絶な過去があかされる。 ロケットを創造した者た…

ラテンアメリカの民衆芸術 @国立民族学博物館

大阪の民族博物館で開催。 実際にラテンアメリカで人々が作り、手にする日常的な品々。 おもちゃや、衣装から、壁画まで、さまざまなものが集められている。 鮮やかな色彩や、異なる材料をミックスしている感覚が面白い。 また、歴史的、宗教的、政治的な題…

過去を清算する一手は? 『カード・カウンター』

長く刑務所にいた男(オスカー・アイザック)は、刑務所で覚えたカウンティングで、カジノを渡り歩き、少なく賭けて少なく勝つポーカープレイヤーとして暮らしていた。カウンティングは、配られたカード、オープンになったカードから、これから出るカードの確…

運命(正典:カノン)にあらがえ 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』

最高の映画! 絵が動く=アニメーションを観る快楽が、みっちり詰まっていて、語られる物語もとても好き。 「スパイダーマン」が映画化され、リブートされ、さらにリブートされ、アニメーションにもなっても、すべてのスパイダーマンが逃れられなかった運命こ…

ちょっと脚本が弱い 映画『告白、あるいは完璧な弁護』

不倫相手を殺害した疑いをかけられているIT社長(ソ・ジソブ)、彼の妻の父が雇った敏腕弁護士(キム・ユンジン)、二人は雪の山荘で、無罪を勝ち取るために、状況を確認し始める。 しかし、その事件の前に、もうひとつの失踪事件があることが、次第に浮かび上が…