ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2022 年間ベスト 演劇の部(配信、映画版などふくむ)

今年見て良かった舞台。あんまり見てないので、少なめ。 『歌劇 ブエノスアイレスのマリア』@座・高円寺 配信 ピアソラのオペラ。ものすごくかっこよかった。朗読の男性が朗々としていい声だったが、本業は研究者らしい。すごい。 『だからビリーは東京で』@…

2022 年間ベスト 展覧会の部

今年見てよかった展覧会。 ホー・ツーニェン 百鬼夜行 @豊田市美術館 見たときは、ふーんという感じだったが、あとからじわじわ気になってきた。同時開催の❰旅館アポリア❱@喜楽亭が時間がなくて駆け足だったのが心残り。 奇想のモード@東京都庭園美術館 「身…

2022 年間ベスト 食べ物の部

今年食べておいしかったもの。 ベストケーキ ❰金沢 ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA❱ 奇をてらわず、しかしフレッシュな驚きのある味の組み合わせ。 金沢では、ぜひ食べるべきケーキ。 le-musee-de-h.jp ベスト青菜炒め ❰名古屋 味仙❱ 今年初めて食べたが…

2022 年間ベスト 映画・ドラマの部

今年見てよかった映画とドラマ。 映画 『ハウス・オブ・グッチ』 レディ・ガガが演じる主人公が、野心家でエネルギッシュでよかった。 『ザ・バットマン』 今までとは違うテイスト。若くて対人関係が苦手そうなバットマン。 『セリーヌとジュリーは船でゆく…

自分の人生を取り戻す闘い 映画『あのこと』

作中、不調の原因を教師に尋ねられて、主人公アンヌは答える。 「女しかかからず、主婦になる病気だったんです」 中絶が違法だった1960年代フランス。大学生アンヌは予期せぬ妊娠をしてしまう。将来のため中絶を望むアンヌに、医師は、あきらめて受け入れろ…

てっきり食◯映画だと思ったのに、接客業の恨み映画だった『ザ・メニュー』

予約至難の孤島のレストランにやってきたお金持ちのゲストたち。 シェフ(レイフ・ファインズ)とスタッフの様子は奇妙だが、傲慢なゲストは、自分達はもてなされるはずと思いこんでいるので、異常に気づかない。 ただひとり、本来なら今夜のディナーにふさわ…

他の誰かを信じられることを希望という『エルピス』最終回

長澤まさみ、素晴らしかった! 見てない人は、みんな見たほうがよい。 今年一番、迫力のあるドラマだった。 一度はお蔵入りになりそうだったドラマが、こうやってしっかり作り込まれて世に出たということ、それ自体が本作の内容とリンクしている。 信じられ…

なんか元気出た『岡本太郎展』@東京都美術館

太陽の塔、芸術は爆発だ、最近ではTAROMANでもおなじみ、岡本太郎の展覧会にいった。 入ってすぐ、立体や大型の絵画がバンバン置いてあり、そのなかを来場者がうろうろする空間があり、よかった。 あんまり最初から、系統立てて解説するよりは、そのまま見た…

起きてるほとんどの時間を共に過ごす人、それは同僚『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

おもしろタイムループ映画にして、お仕事映画でもある。 出社して働いている人にとって、平日起きてる時間のほとんどを一緒に過ごすのは会社の同僚だったりするだろう。そんな人たちに目を向ける物語だ。 仕事が集中し、社員が泊まり込んでいる中小広告会社…

まだまだかわいい「マリー・クワント展」@bunkamura ザ・ミュージアム

60年代に一世を風靡し、ロンドンから世界へブランド展開したマリー・クワント。 時系列に沿って、自分で服をつくっていた時代から、さまざまなメーカーとコラボし、ライセンスビジネスで大成功をおさめるまでをたどる。 展示された当時のデザインの、ミニワ…

テレビの妖精のような村井さん『エルピス』第九回

軽薄で、セクハラパワハラもひどくて、強欲で、バブルの申し子で、神出鬼没で、社会を動かす一発を狙う。村井さん(岡部たかし)はテレビの妖精さんのようだ。 番組の顔となり、周囲の抑圧に次第に体調を崩す浅川(長澤まさみ)。会社を首になった岸本(眞栄田郷…

男たちへの恐怖が呆れへと至る新感覚ホラー『MEN 同じ顔の男たち』

男性の方が、エッジのきいた嫌悪感や恐怖を感じられるかも。 本作が入念に描くミソジニー(女性嫌悪)的振る舞いを重ねる男性たちは、女性には、ある程度見慣れた風景であり、現実に存在している。 作中に出てくる、タンポポの綿毛のように。綿毛の描写、ホン…

行きつ戻りつ 「できることをする」の欺瞞『エルピス』第八回

真相に迫っているのに、それを出せないしがらみのきつさ。 岸本(眞栄田郷敦)がどれだけ覚悟を決めても、まわりの都合で押し流されてしまう。 浅川(長澤まさみ)のぶれぶれの感じも、イライラするけど等身大だ。 左遷されなかった者と、された者の差。 知らぬ…

犯した罪を隠して腐っていく者たち『エルピス』第七回

村井さん(岡部たかし)のチャームが際立つ回だった。 セクハラかつ一言多い人だが、浅川(長澤まさみ)や岸本(眞栄田郷敦)に、正気を取り戻させてくれる人だ。たぶん気休めを言わず、相手に迎合せず、そのときそのとき正直に話すので、それに対して呆れたり、ム…

だれかと少しずつ人生を共有して生きている『ある男』

物語と映像が、見事に織合わさっている。 今年ベストかも。 監督は石川慶。 他人の人生を騙り死んだ男(窪田正孝)の過去、その家族、それを探る男(妻夫木聡)の今、というウェットになりそうな題材をドライに、でも冷たくならず撮っている。 稀有な作品だと思…

シンクホールこわい『奈落のマイホーム』

前半はホームコメディ、後半はサバイバルになる。 日本で公開される韓国エンタメは、粒ぞろいだなあ、と改めて感じるストーリーと安っぽさのない映像。 苦節11年、頭金を貯めローンを組んでソウルにマンションを買った主人公一家。隣人とちょっとトラブルに…