ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

眩暈がするほどゴージャス「ムーラン・ルージュ! ミュージカル」@帝国劇場

バズ・ラーマン監督のミュージカル映画「ムーラン・ルージュ!」を舞台化したオーストラリア発の作品。 会場のセットは驚くべきクオリティ! 左に真っ赤な風車、右には象! 中央には電飾でMoulin Rougeと掲げられている。 上演の少し前から、キャバレーの踊…

一周まわったハッピーフェミニズム映画『バービー』

最初見たときは、フェミニズム最初の一歩的な内容だな、と思ったが、後からじわじわ、どこをめざしている映画かわかってきたような気がする。 バービーランドでとても幸せに暮らしている一般的なタイプのバービー(マーゴット・ロビー)は、ある日なぞの不調に…

ただ愛するのはお金だけ!『守銭奴 マネークレイジー』

映像で観た。 守銭奴アルパゴン(佐々木蔵之介)は、召使いをこきつかい、息子(竹内將人)と娘(大西礼芳)はいずれ金持ちと結婚させて持参金をせしめようと考えつつ、お金を溜め込んで暮らしていた。そんなある日、アルパゴンは近所の若い女性と再婚をしたいとい…

「ちゃんとしてる」と落ちる罠 映画『波紋』

ある日、依子の夫は失踪する。依子は夫の父を介護し見送り、息子を育て、新興宗教に入信し、スーパーマーケットのパートで働く。 そして数年が経って、夫が突然もどってくる。ガンだという。久しぶりに帰省した息子は耳の聞こえない恋人をつれてきた。 依子…

大きな人形というだけで怖い『M3GAN ミーガン』

おもちゃの開発者である主人公は、両親が不慮の事故にあった姪を引き取る。深く傷ついた子どもにどう接したらいいのかわからず、気まずい毎日のなかで、子どもとコミュニケーションをとって、守り導く人形を開発し、姪に与える。 姪はミーガンに心を開き、明…

私たちは何者?ボーダレス・ドールズ @松濤美術館

なにをもって人は、ものに自分の似姿を見いだすのか。 木の板に簡単な顔と名を描いただけでも、呪いの形代として機能する。 人形を見ていると、人は人をどんなものとして見ているのかが、なんとなくわかってくるような気がした。 呪いの形代から、お雛様、埋…

内省的なヒーロー映画「ザ・フラッシュ」

神速のヒーロー、フラッシュが過去の改変に挑み、あきらめを知る物語。 期せずして、『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』と同じテーマを扱っている。 運命(変えられない過去/未来)を受け入れるか、否か。 フラッシュは過去の自分とのやりとり…

「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」@東京ステーションギャラリー

妖しい女性を描く日本画家にして、映画衣装のデザイナーにして考証家。 自分も素人歌舞伎の演目で女形を演じる。 甲斐荘楠音をいろいろな面から照らし出す。 日本画もよかったが、圧巻は「旗本退屈男」シリーズの豪華絢爛、なんだこの柄は、な感じの派手派手…

顕神の夢 霊性の表現者 超越的なもののおとずれ @足利市立美術館

人の世のことわりのそとからくる、何らかのイメージを表そうとする。 そんな試みを芸術としてまとめた展覧会。 宗教者の書画が冒頭に来ることから、人を越えたものとは第一には神、とみなされているようだ。 あとは自然や光などと目される。 スサノオがなぜ…