スーパースパイ「アーガイル」の活躍を描く小説で人気の作家エリー・コンウェイは、次の作品の最終章に行き詰まっていた。アドバイスをくれる実家の母のもとにに向かったエリーは、途中自分のファンだという男に出会う。彼は自分は実際のスパイだと名乗り、彼女があるスパイ組織に狙われているという。そして襲ってくる敵から彼女を救い、逃避行がはじまる。
映画は多かれ少なかれ、大将、あるいはシェフのおまかせコースで、見てみるまで、何が出てくるのかわからないところがあるが、本作はマシュー・ヴォーン大将の好きなものがつまったコースのように思った。
時代がかったスパイ作戦、荒唐無稽なアクション、カラフルなスモークと暴力、「キングスマン」など、マシュー・ヴォーンの映画が好きな人は、大変楽しめるだろう。話の運びはあらっぽいし、勢いで押しきられているような気もするが、大将の味がよく出ている。
後半にあるスケートアクションシーンが、大変気持ちよく、あれを見られるだけで、満足な映画であった。