おもしろタイムループ映画にして、お仕事映画でもある。
出社して働いている人にとって、平日起きてる時間のほとんどを一緒に過ごすのは会社の同僚だったりするだろう。そんな人たちに目を向ける物語だ。
仕事が集中し、社員が泊まり込んでいる中小広告会社が舞台。大手広告会社への転職を目指す中堅社員・吉川は、そこからの無理目の注文になんとか応えようとしていた。しかし、後輩社員が奇妙なことを言い出す。
「信じられないと思うんですけど、この一週間、繰り返してるんですよ!」
取り合わない吉川だったが、後輩のいう通りの出来事が次々起こり……。
主人公がループに気づく頃には、何人かの社員がすでに気がついて、思い付くようなことは試しており、ループものに伴う、繰り返しがまだるっこしいという状態を極力避けた展開でサクサク進む。
とはいえ、原因とおぼしき部長を説得するのは困難だ。
吉川は後輩社員の作戦に加わり、上申制度、下の人からだんだん上の人に伝えることで、タイムループからぬけだそうとする。
それは会社で共に働く人と向き合うことでもある。
自分でなんでもやって、成功を目指す主人公の気持ちは今の社会の気分と重なるが、時にまわりの力を借りて、まわりの判断に身をまかすこともあっていいのかな、と思わせてくれるチャーミングな映画だ。
大手広告会社の代表の役が鈴木京香っぽいけど、クレジットされてないし、でもちゃんと顔見せないなぁー、と思って、じいっと見てしまった。
エンドクレジットで謎はとけたが、たしかに顔が似ている役者さんで、ちょっとおもしろかった。