CGアニメは、均一でぬるぬる動く方向に進んでいたが、ここに来て「絵」を立体的に動かす、という進路の作品が出てきた。「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」、そして本作もだ。
絵がそのまま動き、かっこよく気持ちいい。
レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ、ドナテロたちは亀のミュータント。父がわりのネズミのミュータント、スプリンターと、人間に見つからないよう下水道で暮らしていた。地上に憧れる4人は、ある夜、高校生でジャーナリスト志望のエイプリルと出会い、協力してスーパーフライという悪党を倒そうとするのだか。
スパイダーマンシリーズと共通するのは、主人公がティーンエイジャーであること。未熟で間違っても、まわりの助けで、大きく変わっていける。
また、市民もヒーローたりうるという視点も、スパイダーマンと共通する。
スプリンターとスーパーフライ、差別されるミュータントのファミリーを率いてきた二人の家父長、変われるのか変われないのか、人間とのスタンスの違いは「Xmen」シリーズのプロフェッサーXとマグニート、また黒人差別への抵抗、公民権運動におけるキング牧師とマルコムXの違いを彷彿とする。
ティーンエイジャーのタートルズが、わちゃわちゃしてるだけで、楽しくおもしろい映画であるが、アメリカの、あるいは人間社会の変わらぬテーマをあつかっている。