とてもかわいらしく、美しいものを見る歓びにあふれた映画。
通いの家政婦さんミセス・ハリスが、いつも堂々として、まっすぐ夢見てるのが素敵だった。夢とはディオールのドレスを買うこと!
パリは労働者が主役の街というセリフの通り、紆余曲折の末、現金を持ってパリのディオールに行ったミセス・ハリスはドレスを注文して仕立ててもらう。その間、従業員たちと交流し、恋の応援をしたり、待遇改善、経営建て直しを手伝うことになる。
ディオール展を見たら、またいろいろ気づいたような。
ミセス・ハリスと、ディオールのメゾンで門前払いされそうになった彼女を助けてくれた侯爵の両方が、今は亡き連れ合いの影響で花が好きなのは、庭仕事を愛したクリスチャン・ディオールを踏まえているよう。
ミセス・ハリスが一文無しになったのちに、まわりの人の助けでドレスのためのお金が手にはいるのは、クリスチャン・ディオールが若いとき占い師に「あなたは一文無しになるが、女性たちの助けで成功することができる」といわれたのを踏まえているっぽい。
ミセス・ハリスは不運に見舞われたとき、じたばたせず、ふて寝する。そうしていると、よいニュースが飛び込んでくるのかもしれない。