海岸、牛、リンゴの木、農風景、民族衣装の頭巾を身につけた女。
フランスの異郷ブルターニュを描くときに、よく取り上げられるモチーフだ。
中央・パリから辺境、鄙であるブルターニュへの視線が、画面にはっきりと固定されている。
描かれた人物は女性が多い。女性は自然に近く、自分たち(画家やパリで絵を買う男たち)とは、異なる存在として題材に選ばれているのではないかと、思う。
ブルターニュの人びとがパリに行くことはあったのだろうか?
「おのぼりさん」たちの絵や旅日記など、周縁からの視線もあるなら見てみたかった。