長らく海外にいっていないので、見知らぬ風景や生活を見るのが、とても楽しい。『女神の継承』はドキュメンタリー形式で撮られているので、その辺の欲も満たしてくれる。職場の感じや家の中、タイのキャバクラみたいなところ、葬式の様子など、おもしろい。
前半は怖いが、クライマックスは色々盛りすぎて、高濃度の恐怖描写になっていき、怖さを面白さが越えていく。
若い女性ミンが女神?悪霊?にとりつかれて、という見方と、ミンの精神の失調をきっかけに家族の精神状態も悪化していき~という見方ができる。ミンが兄と関係していたかも、と映画の中で出てくるが、おじもあやしいと思う。「若い女が好きなんだろ!」と悪鬼のような表情でミンがおじを襲う場面があった。虐待があったのに見てみぬふりをした母への怒りが最後に爆発、ということかも。
『哭声/コクソン』の監督が原案、プロデュースをしている。今回も中年男性が四つん這いで山中迫ってくるシーンあり。
わたしは滑稽に感じてしまうが、怖いものとして描いているのだろう。怖く感じるものは文化によって違う。
『エクソシスト』とか『ヘレディタリー/継承』などのように、四つん這いになったり、全裸になったりという、人間が獣のように振る舞うことが恐怖という感覚はどこからくるのだろう。
『ヘレディタリー/継承』の最後、全裸の人がたくさんのシーンでちょっと笑ってしまったわたしには、体感できない怖さ。