ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

女を利用して財を成し、その分女に徴収される『マルサの女』

初めて見た。

とても面白かった。

タイトルが出るまで、ラブホテル経営者、権藤(山崎努)がさまざまな女性を利用して金をもうけ、脱税していくようすがテンポよく描かれる。

そして、タイトルが出た後、マルサの女こと税務署の調査官、板倉(宮本信子)が現れる。カフェの売上監視、スーパーの帳簿のチェックなどをしているある日、通りかかった権藤の経営するラブホテルに関心を持つ。

調査を始めるも決め手に欠けるが、そんななか、板倉は国税局査察部に抜擢! マルサという税務調査のプロとしての仕事を重ねて、再び権藤の案件を捜査しはじめる。

 

働く女性としての板倉の描き方がよい。後輩を指導し、上司に進言し、そして抜擢をたいへんよろこぶ。廊下を駆けてキラキラしていて、ああ仕事で認められるということは、こんなに喜ばしいことなのだな、と思う。

 

権藤が利用した女たちは、金や良い暮らし、そして権藤の役にたちたいという気持ちもあって、体を張って脱税に協力するが、権藤にとっては取り替え可能なものでしかない。搾取されたものを税金(ザ血税)という形で、板倉が取り返していく。

とてもよくできた映画だったので、引き続き伊丹十三映画を観たいと思う。

 

asa10.eiga.com