引っ越し先で見つけた小さな貝のような生き物。ひとつ目の彼は人の言葉をしゃべり、マルセルと名乗る。主人公は彼の動画を撮りはじめる。彼は離ればなれになった家族を探すため、主人公に協力を求める。
実写とストップモーションアニメを組み合わせた作品。
家族を探すために、Youtubeにアップした動画がバズって家がばれて人が押し寄せ、危険な目に遭うなど、現代的である。
世界の美しさも描く一方、小さな世間知らずのマルセルと動画を撮っている主人公の関係はどこか居心地の悪いものだ。マルセルを利用し、搾取しているのでは、みたいな気持ちを主人公もちょっと思っているように感じる。
マルセルの愛らしさに心奪われつつ、押し寄せる人々の無意識の暴力とともに、自分より小さな存在とのつきあい方も意識させる作品だった。