ときよとまれ

みたもの、きいたものなどのまとめブログです(映画、演劇、展覧会 感想備忘録)

真におぞましきは 映画「骨」「オオカミの家」

「骨」と「オオカミの家」の同時上映。

 

「骨」は、発掘された映像を修復したもの(という設定)。チリのかつての権力者を、ある少女が骨からよみがえらせ、ひとつの契約を消す。

 

「オオカミの家」は、あるコロニーから逃げ出した少女マリアが、なんとか自力で生活しようとするが、内面化されたコロニーの価値観に苦しみ、追いかけてきて、甘い声でささやくオオカミに誘われていく、というようなストーリー。

チリに実在し、今も名前を変えて存在するコロニア・ディグニタというカルトコミュニティをモデルとしている。

 

ストップモーションアニメというと、「モルカー」や「マルセル」などかわいらしいものを思い浮かべるが、本作はまったく違い、映画館で見る悪夢といった様相。

家の壁に窓や棚や人物が描かれ、それが壁や床づたいに、ずるずる動いていく。人物が現れるときも、からだが作られる過程から撮っていて、だんだん肉付けされ、形を作り、色を塗られ、というところがすっかり見える。

 

やさしいオオカミの声が怖い。コミュニティのそとは危険、帰れば安心と甘く声をかける。最後に見ている私たちに向かって放たれる言葉に、ゾッとした。

 

http://www.zaziefilms.com/lacasalobo/