「骨」と「オオカミの家」の同時上映。
「骨」は、発掘された映像を修復したもの(という設定)。チリのかつての権力者を、ある少女が骨からよみがえらせ、ひとつの契約を消す。
「オオカミの家」は、あるコロニーから逃げ出した少女マリアが、なんとか自力で生活しようとするが、内面化されたコロニーの価値観に苦しみ、追いかけてきて、甘い声でささやくオオカミに誘われていく、というようなストーリー。
チリに実在し、今も名前を変えて存在するコロニア・ディグニタというカルトコミュニティをモデルとしている。
ストップモーションアニメというと、「モルカー」や「マルセル」などかわいらしいものを思い浮かべるが、本作はまったく違い、映画館で見る悪夢といった様相。
家の壁に窓や棚や人物が描かれ、それが壁や床づたいに、ずるずる動いていく。人物が現れるときも、からだが作られる過程から撮っていて、だんだん肉付けされ、形を作り、色を塗られ、というところがすっかり見える。
やさしいオオカミの声が怖い。コミュニティのそとは危険、帰れば安心と甘く声をかける。最後に見ている私たちに向かって放たれる言葉に、ゾッとした。
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