日本発でたぶん海外への輸出も視野にいれているミュージカル。
100年戦争で疲弊したフランス、外国から国王に嫁ぐも、王は狂気に陥り、困難な運命に翻弄され、フランス最悪の王妃と呼ばれたイザボー。彼女の人生と決断を、息子シャルル7世と、イザボーと同じ時代を生きた養母ヨランドが振りかえるミュージカル。
凄くおもしろかった。
基本的にイザボーは悲劇的といわれるような運命をたどるが、そこに彼女の決意と生きるエネルギーを読み込んだ戯曲で、望海風斗が見事に体現している。ヨランド役の那須凛は初ミュージカルということだが、イザボーとふたりの曲は、歴史のなかの女性を力強く描いていてよかった。
ラストシーンがバッチリ決まって、元気になって劇場を出た。
しかし、フランスだけに限らないが、国民は外国からきた王妃にアタリがきつい。マリー・アントワネットもそう。政治が失敗したとき、影に女性や外国人、他者を読み込みがちなのでは。