選考委員が選んだ、オリジナルなデザインのプロダクトが時代をおって展示されている。
いろいろ見られて面白いが、なにかがオリジナルであること、その魅力を伝えるためには、そのものだけ見せてもよくわからない。
それまでのデザインの趨勢や、その後の影響がないとキャプションの言葉を読んで「そうなのかぁ」と思うしかない。「たしかにその通り！」と目で見て納得したかった。
以前シャネルのデザイン展を見たときも、そのデザインがいかに革新的だったのかがよくわからなかったのだが、シャネルのスタイルがいまとなっては(いまとなっても)女性服のスタンダードで、いま見ると普通の服すぎて、ピンと来なかったのだった。
この展覧会も同じに思える。
今日まで影響を与えるすごいデザインが、はじめて現れたときの凄みを、その影響下のプロダクトのただ中で暮らしている人たちに伝えるには、何か工夫が必要だ。
