宗教都市を舞台に、娼婦たちと、彼女らばかりを狙う殺人者と、事件を追う女性記者を描く。社会に根付くミソジニー(女性嫌悪)と、それを許しているのは誰なのか。日本に共通するところも多い。
娼婦たちの境遇も、殺人者が社会の役に立っていると抗弁して、それが支持されてしまうこと、単身でホテルに泊まることさえハードルがある記者の日常の一幕も、なんだか見覚えがあり、その事にゾッとする。
結末はびっくりしたが、すべて権力の手のひらの上、ということか。
制度と習慣、その両輪で轢かれ続ける女性たち、自分も轢かれているのに気付かず他者を攻撃することで認めてもらおうとする人々。普遍的な映画だった。