宛先の強度「あなたのアート誰に見せますか?」@東京芸術大学陳列館
明確な宛先があるものは、届きやすいのか。
そうでもないのでは、というのが本展の感想だが、私が宛先になっていなかっただけかも知れない。
メラニー・ボナーヨの作品が強烈なのは、身体感覚のある者すべてに訴えかけて来るからだろう。ネット上の感想をいくつか見たが、性欲とだけ関連付けているものもあり、この社会で身体感覚といったとき、すぐに性的なものに連結してしまう思考回路の存在を強く感じた。
性的なものを拒絶しているわけではなく、それだけでないふれあい、親密さへの希求をどのように広げていけるのか。そんなことを考えた。